ドローンを仕事にするために知っておきたいこと

華やかな空撮映像でお馴染みの「ドローン」。低コストで上空からの映像を撮影できるということもあり、さまざまな用途で活用され始めています。ドローンを使ったビジネスの経済規模は年々成長を続けており、「ドローン操縦士」という職業まで登場しています。
今ドローンはかつてないビジネスチャンスでもあり、ドローン操縦というスキルを身に付けることによって、充分な収入が得られる仕事に巡り会えるかもしれません。皆さんの中にも、今後ドローンを自分の仕事にと考えている人もいる事でしょう。
今回はドローンの基本的な定義から、その種類、そして、ビジネスの現場で活用できるドローンの仕事や職業、資格など、幅広い情報をまとめていきます。

ドローンの定義

 

ドローンの語源は蜂の羽音

まずは、ドローンの定義から紹介していきます。ドローンと呼ばれるものには、さまざまな種類がありますが、どこからどこまでがドローンなのか、定義を知っておきましょう。
「ドローン」という言葉の語源には、「蜂のブーンという羽音」が由来になっていると言われています。確かに、ドローンが飛行している音は、蜂が飛んでいる音と似ていますよね。
そして、気になるドローンの定義ですが、「遠隔操作や自動制御によって飛行できる無人航空機」となります。
ここで重要なのは、「遠隔操作」「自動制御」「無人」の3つです。遠隔操作ができるだけなら、ラジコンと変わりません。ドローンは、操作をしなくても高度を調整したり、障害物を避けるなどの機能を有しています。そして、機体には誰も乗っておらず「無人航空機」であるという点も重要です。
これらに該当する機体に関して、一般的に「ドローン」と呼ばれています。

ドローンの定義

ドローンの種類

次に、ドローンの種類についてまとめていきましょう。
ドローンには、さまざまな特徴を持った機体がありますが、ここでは、主に「形状」「機能」「用途」の3つの観点から、それぞれの種類を解説していきます。
「形状」については、主にプロペラの形状によって分類することができます。プロペラが回転することによって飛行する機体のことを「マルチコプター」と呼びます。そして、プロペラの数に応じて、この呼び名は異なり、「トライコプター(3個)」「クアッドコプター(4個)」「ヘキサコプター(6個)」「オクトコプター(8個)」となります。プロペラの数が多いほど、飛行が安定すると言われています。

空撮映像を撮る場合、飛行が安定していた方が、キレイな映像を収めることができます。その反面、プロペラの数が多くなれば、その分重量が増します。持ち運びに不便だったり、メンテナンスが複雑になるなどのデメリットもあるので、上級者向けのドローンといえるでしょう。
一般的に販売されているようなドローンは「トライコプター」「クアッドコプター」が主流になっています。ビジネス用途の場合、「ヘキサコプター」「オクトコプター」が使用される場面もあります。
次に、プロペラではなく、飛行機の翼のような形状をしているドローンもあります。これは「固定翼機」と呼ばれるタイプで、飛行機のように滑空や着陸をさせるタイプになります。
あまり一般的ではないですが、ダイナミックな飛行が可能なので、今後空撮などで使用されていくことが考えられます。

マルチコプター

トライコプター
クアッドコプター
ヘキサコプター
オクトコプター

固定翼機

固定翼機
 
・固定翼機の定義にプロペラの数は無関係
・固定翼機はマルチコプターより安定性が高く、飛行時間が長い、速度も速い
・操作が難しく、離着陸に必要なスペースが広い

ドローンの機能

ドローン


次に、「機能」についてみていきましょう。ドローンには、さまざまな機能が備わっています。上級者向けになればなるほど、高度な機能が備わっており、ビジネスでの活用を考えた時に、必須となるような機能もあります。ドローンを購入する時には、その機体にどのような機能があるのかを確認しておく必要があります。

  • カメラ機能
    ドローン=カメラ付きラジコン、というイメージがありますが、実際のところドローンの定義にカメラ機能はありません。なので、まず最初にカメラが搭載されているかどうかが非常に重要です。カメラが搭載されていることを前提とした機能もあるので、要チェックが必要です。空撮をしようと思っている人なら必須の機能でもあります。
    また、カメラが搭載されていないタイプであっても、自前のカメラを取り付けられるモデルもあり、映像面でのこだわりがあるなら、そういった選択肢もあります。
  • FPV機能
    FPVは「First Person View」の略で、「一人称視点」のことです。この機能は、ドローンが撮影している映像をリアルタイムで手元のコントローラーやスマホなどの画面に表示させることができます。
    この機能によって、飛行中のドローンがどのような景色を捉えいるのかを確認することができますし、それによって調節することもできます。
    また、この機能は空撮だけではなく、ドローンレースにも使われています。FPVで表示される映像をみながら、正確にドローンを飛行させる上で重要な役割を担っています。
  • GPS機能
    ドローン機体にGPS機能が備わっていることによって、飛行時に機体自体が位置を把握で
    きるようになります。これによって、飛行時の安定性がグッと増しますし、自律飛行をする
    なかで、微調整などをすることもできます。位置を捕捉できるということは、その場に留まるといった制御も可能となります。風が吹かれて、機体が揺れても、それを感知して、元の場所に戻るなどの調整が可能となります。

ドローンの用途

ドローンと畑

最後に、ドローンの用途によって分類をしていきます。一般的には、空撮映像制作での使用が目立つドローンですが、ビジネスの現場では、さまざまな場面で使われています。ドローンを仕事にすることを考えている人は、ドローンにはこのような可能性があることを知っておくといいでしょう。

  • 空撮映像制作
    一番ポピュラーな用途です。趣味でドローンを使っている方は、ほぼこの用途で使っていることでしょう。人間が行くことができない視点からのダイナミックな映像を撮影することができます。
    景色のキレイな場所、また、撮影手法としてドローンを取り入れる場合など、さまざまな場面で空撮映像が創造の現場で使われています。
  • 農業
    ドローンと農業という組み合わせはあまりイメージしづらいかもしれませんが、ドローンを使った農薬散布は、かなり一般的な用途になっています。ドローンは飛行をプログラミングによって制御することができるため、操縦をしなくても、設定をすることで、自動的に農薬を散布できます。以前までは、ラジコンヘリが使われていたのですが、それよりも効率的でコスト削減が可能となります。
    また、農地の管理や点検においても、ドローンが活躍しています。
  • 測量、管理、点検
    建設現場などでの、測量作業や管理、点検などにもドローンが使われています。建設予定地の測量や調査、建設作業中の管理や点検といった場面で、ドローンの特性を活かした網羅的なサービスが提供されています。
    ドローンがこのような現場で導入されることによって、生産性の向上が見込まれています。
  • スポーツ
    ドローンを使ったレースも最近盛り上がりを見せています。競技市場は年々拡大を続けており、ダイナミックでスピーディーなレース展開と高度な操縦テクニックが人気を集めています。
    ドローンレースに特化したようなドローンも販売されています。
  • 物流
    実際に物流の場面でドローンが一般化していくのは、まだ先になりそうですが、各企業は、年々ドローンによる物流の実現化を目指しており、現時点では、技術的なハードルはクリアしているという状態まで来ています。日本では、宅配業者の深刻な人手不足も問題かしているため、ドローンによる物流の仕組みが確立され、効率化が図れれば、画期的なソリューションとなるでしょう。
  • 軍事
    ドローンはもともと、軍事目的に開発されたものでもあり、こういった用途でも最先端の技術が使われています。
    しかし、その分、ドローンを使ったテロ攻撃などのリスクが高まっている部分もあるのですが、ドローンを使った偵察や攻撃など、幅広い利用が可能となっています。

ドローンには、このような種類があることが理解できたと思います。次以降では、このようなドローンを使う職業や、仕事をやる上で必要となる資格などについてまとめていきます。

ドローンの仕事

ドローンの操縦

まず、ドローンを使って仕事をするということは、大まかに考えて「ドローンパイロット」になるという方向性になります。ドローンを安全かつ思い通りに操縦できるプロとして仕事をしていきます。

理解しておきたい法律

ドローンを仕事にする上では、最初に法律を理解しておかなければなりません。これはドローンの飛行規制に関するものです。趣味でドローンを飛ばしている人でも、法律は確認しておかなければなりませんが、プロのドローンパイロットとして活動する場合、許可や認可をもらってドローンを飛ばすという場面も想定できます。
その際に、法律を十分に理解し、どのような手続きが必要なのかなどを理解しておきましょう。
ドローンの規制にまつわる法律に関しては、以下のようになっています。

  • 電波法
  • 航空法
  • 道路交通法
  • 個人情報保護法
  • 小型無人機等飛行禁止法


プロとして仕事をしていく以上、アマチュア以上にコンプライアンスを意識した活動が必要となります。最低でも、これらの法律の内容については頭に入れておきましょう。

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 ドローンを使った職種

ドローン配達

次に、ドローンを使った職種について紹介していきます。基本的には、「ドローンを飛ばして何をするか」という点で分類できます。

  • 空撮カメラマン
    これはドローンを使った仕事の中でも、最もメジャーなものです。クリエイターとして、自分が撮りたい空撮映像を制作する人もいますし、クライアントの要望に応える空撮映像を撮る場合もあります。
  • 測量士
    建設現場などで、測量をするためにドローンを飛行させる仕事です。人手よりも時間やコストを削減できるため、今後さらなる需要が見込める仕事です。
  • 農薬散布
    農業などの第一次産業では、高齢化が深刻になっています。作業の負担などを緩和し、効率化するためにドローンが活躍しています。
  • 警備
    ドローンの柔軟な飛行と高性能なカメラ機能は警備の分野でも活躍が予想されています。固定カメラよりも効率的な警備が可能となります。
  • ドローンレーサー
    ドローンの操縦技術を高めて、プロのドローンレーサーとして食べていくという方向もあり
    ます。最近では、日本でもプロのドローンレースチームが誕生しており、世界的にも活躍の場は年々広がっています。

ドローンを使った職種には以上のようなものがあります。ドローンの世界市場は2015年段階で1兆円を超えていると言われており、2020年には、2兆円を超えることが予想されています。
このような市場規模の拡大とともに、ドローンパイロットとしての仕事も増えていくことが予想されています。

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必要な資格

ドローンを仕事に選ぶ上で、資格などが必要ではないかと考える人もいるでしょう。厳密にいえば、ドローンを操縦する上で、必須となるような資格はありません。しかし、ドローン市場が拡大していく中で、プロのドローンパイロットとして、必要となる知識や技術を証明する手段として資格は有効です。
自身の価値を高める上でも、差別化を図るためにも、資格の取得は有効といえますし、今後、ドローンを使った仕事がより一般的になっていく中で、求人の条件として、資格の保有が求められることも考えられます。

ここでは、ドローンに関する主な資格を紹介していきます。

  • 無人航空授業者試験(ドローン検定)
    「ドローン検定協会」が主催する無人航空機に関する知識と技術を証明する検定試験です。1級〜4級まであり、国土交通省への飛行許可を提示する際に、こちらの証明書を添付することができるようになります。
  • DPA操縦士資格
    「一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)」が主催する資格で、取得には、DPA認定校での受講が必須となります。
  • DJI JAPANの認定資格
    ドローンメーカーのDJIが主催する「DJI CAMP」というプログラムを受講して取得する資格です。
  • JUIDAの操縦技能証明証と安全運航管理者証明証
    「一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)」が主催する資格です。安全飛行に関する知識と、操縦技術に関する資格が取得できます。
  • 産業用マルチローター技能認定証
    ドローンを使った農薬散布をする人向けの資格で、農林水産航空協会が主催しています。指定教習施設での教習を受講し、検定に受かることで資格が取得できます。農薬散布というケースを扱う資格でもあるので、この分野に興味がある人は取得しておくべきといえます。
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ドローンの需要はこれからさらに高まっていくことが予想されます。基本的な知識から、仕事に必要な資格まで、あらゆることを理解しておくといいでしょう。

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